暗い紫色をしたこのワインには、下生え、ジャムのような黒い果実 ミネラルとヴァニラの控えめだが興味深いノーズがある。
深みがあり 豊かなミディアムボディからフルボディで、傑出したエキス分と 純粋さがあるこのワインは、なめらかな個性を備えており、タンニンは 1996年よりも甘く、よく調和している。
このワインは、セラーであと7〜8年 寝かせるべき長期熟成型ワイン(ヴァン・ドゥ・ガルド)であり、1989年と 1990年に達成された申し分のない品質のワインとさして遠くないところにいる。
講談社 『BORDEAUX ボルドー 第3版』 より抜粋 パーカー氏評:92点獲得!シャトー・トロロン・モンド Chateau Troplong Mondot 「いいときのトロロン・モンドには誰も勝てないよ・・・」と言われてるらしい。
サン・テミリオンの格付けの特徴として、格付け改定が行われる点があります。
最近では2006年に改定が行われ、パヴィ・マカンと共にトロロン・モンドがグラン・クリュ・クラッセから、11のシャトーしか存在していなかった第一特別級Bに昇格。
トロロン・モンドは現当主クリスティーヌ・ヴァレット氏が父親からシャトーを受け継いだ、1980年代から品質が飛躍的に向上しました。
1980年代半ばには、醸造コンサルタントにミシェル・ロラン氏を招き入れ、さらに品質向上に拍車がかかりました。
その頃から、「サン・テミリオンの第一特別級に格上げされるべき」「メドックの二級に相当する品質」などと言われてきました。
そうした評価を受け続けていたものの、1996年の改定の時は昇格最有力候補に留まりました。
しかしブドウの完熟を待って可能な限り摘み取りを遅くしたり、グリーン・ハーヴェストをして収穫量を抑えたり、新樽比率の引き上げ(約70%)を行うなど巨額な投資を行ってきました。
そうした努力が実り、ようやく2006年に第一特別級Bに昇格を果たしました。
トロロン・モンドに関しては様々な人がコメントを残しています。
ロバート・パーカーは2006年の格付け改定前、「もしトロロン・モンドが昇格しなかったならそれは犯罪だ」とまで言いました。
サン・テミリオンの生産者たちは口をそろえて「いいときのトロロン・モンドには誰も勝てないよ・・・」と言います。
サン・テミリオンの中でも間違いなくトップ・シャトーの一つです。